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1693年1月、記録的な大地震がシチリア南東部一帯を襲い、多くの街が壊滅した。
ゼロからの再建。そこには多大な時間と労力を要するが、同時に新しい息吹も芽生える。

瓦礫の中から驚異的な復活を遂げた街が選んだ新しい装い、それはダイナミックで力強いバロック建築であった。シチリアはもちろん、イタリア全土においても注目されるようになったこれらのバロック都市たちは、大震災という悲劇の跡地に見事な芸術の花を咲かせたのである。

そして2002年6月、この南東部(ヴァル・ディ・ノート〈ノート領〉)の8つの街
カルタジローネ(Caltagirone)、カターニア(Catania)、ミリテッロ・イン・ヴァル・ディ・カターニア(Militello in Val di Catania)、モディカ(Modica)、ノート(Noto)、パラッツォロ・アクレイデ(Plazzolo Acreide)、ラグーサ(Ragusa)、シクリ(Scicli)が世界遺産に登録されたのである。

【その他のシチリアの世界遺産】
ピアッツア・アルメリーナ、カサーレの古代ローマの別荘(97年登録)
アグリジェントの考古学遺跡(97年登録)
エオリエ諸島(2000年登録)

他にも、道中通ったモディカ周辺の街、Vittoria 、Comisoなどは遠目からも大きな教会の尖塔やドームが見え、いかにも感じが良さそうな雰囲気で、次回機会があれば是非寄って見てみたい…と思った。実際に走って見てみると思わぬ発見があるもので、それが車の旅の醍醐味なんだろうな…

 地震から蘇った世界遺産の街たち
Le Citta Trado Barocche Del Val di NOTO
シチリア南東部・ヴァル・ディ・ノートの後期バロック様式の町々

アグリジェントって遺跡と街が完全に分離してて、遺跡だけ見るとのどかでエエ感じなのだが、山手の街の方を見ると、まるで香港のような高層建築物がニョキニョキ生えててギョッ!とする。

随分のんびり過ごしてしまったシャッカを後にデデ〜ンとモディカまで約150キロの大移動!(コレは正直ちとツラかった…こんなに遠いと思わなかったので…(笑)
海岸線を走る道から内陸に入り、明日行くラグーサの街の表示を横目に山間部を走り続ける。知らぬ間に結構登ってきたな…と思いかけたその時、渓谷の中に立派なモディカの街が現れビックリ!する。
巨大なYの字を描く3つの谷間の間に、へばりつくようにして街が広がっており、こんな所にこんな街が…と思わずつぶやかずにはいられないほど、その出現は唐突であり、その全景は美しかった。

シャッカ〜モディカ間を走行中、アグリジェントを通ったのだが、
ココの道路の高架の高いことといったら!ハンパじゃなかった!
日本のように左右に高い防御壁がないもんだから、回りの景色が存分に見えて
(右手にはきらめく海をバックにそびえる神殿のシルエットが見えてとてもキレイ!)
それはソレで良いのだが、いわゆる道路のヘリの壁も低くて、
しかも道路がスッゲ〜高いからまるで宙を走ってるようで、
楽しいんだけど、ココから落ちたら肉片すら残るまい…という、
とてつもなくディンジャラスな道路だった…(笑)

実はモディカの街に入る前に渓谷を渡る橋があるのだが、これまた下を見たらすくみそうなくらい高い!
なんでも高さ130mあってヨーロッパでも有数の高い橋なんだそうな…
前回トスカーナを走った時もスゲ〜高い道路があったけど、
イタリア人ってトンネルを掘らずに上に通す…って主義なんでしょうかね〜
何にしても高所恐怖症の人ガンバって!(笑)

 

Siacca ▼Modica