開演前、観客たちで灯すロウソクは、今やアレーナの風物詩。ポツポツ少しづつ灯りが増え広がっていく様は、このまま時間が止まってしまえばイイのに…と思うほど、キレイでロマンティックだ。

何万人という観客1人ひとりが漏らす、うっとりしたため息が、見えないベールとなって空気を揺らし、それにあわせて灯りも揺れる。まるで生き物のように、満天の星空のように。

そして、ソレがふたつ、みっつと消えていき、アレーナに再び闇が舞い降りたその後、舞台が始まるのだ。

なんて粋なオープニングだろう!この瞬間を見るだけでもアレーナに来る価値はある…と私は思う。

 

Photo by S-yan