早めの列車に乗りアグリジェントを後にすると、息つく間もなくバスでモンレアーレに向かう。
パレルモに来たなら絶対はずせないのが、ここモンレアーレの素晴らしいドォーモだ。
造りは典型的なノルマン・アラブ様式で、エキゾチックな外観もさることながら、
必見なのが内部を覆う金色のモザイクである!


ココに初めて来た時、あまりの荘厳さに私はポカンと放心状態になった。だってココはバチカンじゃない!ヴェネッィアのサン・マルコ寺院でもない!シチリアの山の中だ!はっきりいって田舎だ!それがどうしてこんな立派なドォーモがモザイクがあるんだ!?と!

その日は日曜日でちょうどミサの真っ最中であった。一番後ろの席に座った私の前には、老夫婦が微動だにせず祭壇を見ていた。やがて賛美歌の時間になり、彼らはしっかり手を握りしめながら歌い始めた。日の光に写 しだされたモザイクは金色のモヤをつくり、その中を人々の朗々とした歌声が流れていく…私はなんだか胸がいっぱいになり、涙が出そうになった。あまりの美しさに…あまりの素朴さに…そんな想い出が瞬時に蘇り、また涙ぐみそうになった自分に驚いた…

しかし、今回は時間も遅かったので、その素晴らしいモザイクがはっきり見えなかったのはとても残念だった。冬の陽は落ち出すと早い。みるみるうちにドォーモの中は闇に包まれていく。あぁ〜と嘆いていると、カシャンと音がしてパア〜ッとライトがついた。おぉっ!そうだライトがある!せこい私たちは自分たちでお金は出さず他の人が点けたライトめがけてあっちへこっちへ走り出した(笑)

日の光の中で見るのが一番キレイだろうが、ライトに照らし出されて闇の中に浮かび上がるモザイクもまた素晴らしく幻想的だ。こんな山の上の小さな町に、こんなステキな寺院があるのだから、ホントにイタリアはあなどれない!しかも小さな町だからこそ、その美しさが際だち心奪われるのだろう…

 
 La passeggiata 散歩 〜

土曜の夜ともあり、広場や通りには大勢の人が集い散歩やおしゃべりに興じている。これから始まる長く楽しい夕食を前にしてのウォーミングアップといったところか?そのうち、そう広くもないモンレアーレの通 りは3〜5人の集団で溢れかえってしまった。それこそ黒山の人だかりである。

ソレを見た友人…「なんかお祭りでもあるの?」とびっくり(笑)私も初めて見たときは驚いたが、小さな町ではよくある光景で、週末を問わず午後の休みや夕食前になると、腹を空かせた子どもたちやカルチョの話で盛り上がる男どもの集団でいっぱいになる。

姿が見えないのは、台所で孤軍奮闘している偉大なマンマだけだ。それぞれグループみたいのがあるんだろうけど、小さな固まりがあちこちにできてる様はやっぱり異様だ(笑)じっとしてるのが我慢できなくなると、短いメインストリートを何度も何度も!往復しながらしゃべり続けてる(笑)家にいると「忙しいから外に出ててっ!」と言われてるのかもしれないが、おかしくも悲しいイタリア男たちだよなぁ〜。

イタリア人はホント散歩好き…というか集まってしやべくるのが大好き!(笑)飛行機の中でさえ、離陸後10分後には、モンレアーレのような通 りに変身してしまう…ちなみに「散歩」はpasseggiata(パッセジャータ)というが辞書によると「そぞろ歩き」は andare a zonzo(アンダーレ・ア・ゾンゾ)というらしい…ゾロゾロ歩くちゅう響きが日本語と似ていておかしいネ!(笑)

       

 

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